妙に納得がいく言葉

5年前に聞いた

 


知っていて無駄な知識など存在しない

 


唐突に放たれたこの言葉が脳にインプットされるのが自分でも分かった。


人生において一番と言っていいほど妙に納得がいく言葉だった。


他人の人生を変えるほどの奴ってこういう言葉を平然と吐く奴なんだと思い知った。

昔見た屋上の花火

正確に覚えてないけど、中学生の頃に一度だけ隣の某市マイカルと呼ばれるショッピングモールの屋上で花火を見た。

 

その日は親に連れられ映画を観てから買い物をした。そこで親の知り合い?っぽい若い女の人も何故か一緒に行動を共にしていて、初めて会う人なので人見知りの激しい僕はほとんど会話をしなかった。

 

買い物も終わり、屋上から花火見えるらしいよ、との事で屋上の駐車場を目指して通路を歩いていた。

 

その際に当時の僕は思春期真っ只中だったので親と一緒に歩きたくなかった為、少し離れて歩いていた。

すると、女の人が僕に寄って来ると何を思ったのか腕を組み出した。

僕は抵抗もせず、されるがままに腕を組まされた。人見知りの為、一言も発せずにいると、

「緊張してるん?かわいい」

と女の人が言った。

僕はナニイッテンダコイツと心の中で返事をしたのを覚えている。

すると今度は身体を更に寄せて来て、胸を僕の腕に押し付けた。

親が前に歩いてるのにコイツは中学生相手に何してんだよ、と思った。正直悪くは無かった(本音)

屋上に着くと腕を組むのをやめ、花火を見る為に空を見上げた。

言うほど花火は見えなかった。それでも少し見える度に綺麗、おぉ、みたいな言葉が屋上を飛び交った。僕はあまり綺麗だとは思わなかった。

僕は花火より女の人が気になり、様子を伺っていた。花火を見上げ、綺麗、と言っていた。

なんだコイツもそうか、って思った。(厨二)

それでも空を見上げてしまうのは中学生という所詮子供だったからであろう。

空を見上げていたら、気付くと女の人が横に居た。名前も知らない女の人。何を言う訳でも無く、僕を見つめ、不敵に笑うその顔は、綺麗だと思ってしまった。

 

昔見た屋上の花火。〜完〜

クシャっと笑う女の子の話

小学校が同じで少し話す事が多い女の子が居た。その子は正直あんまり可愛いとは言えなかったけど、クシャっと笑う愛嬌のある女の子だった。僕のことを下の名前で呼んでくれていて三年間クラスが同じだったのでちょっぴり仲が良かった。

中学三年にもなると、誰と誰が付き合ってるだの何だのと色気付いた話が増えてきた。未だに幼かった僕は正直あんまり興味が無かった。(わりとマジで鬼ごっこで喜ぶレベルの精神年齢でした。オ○ニーも知らなかった)

でもそのクシャっと笑う女の子が誰が好きだの噂話を人伝で聞いた。その時に少し嫌な気分になった。

中三にもなって未だに僕のことを下の名前で呼んでくれていた。ちょっと嬉しかった。周りより遥かに幼かった僕でもやっと人を好きになるという事を理解した時期だった。

中学最後の秋、文化祭では学校が決めた演劇をする事になった。表に立ちたくないやる気も無い根暗引き篭もりの僕はもちろん裏方に回った。その子も表には立ちたくはないみたいで裏方だった。後、吹奏楽部として演奏?役をしてた。

僕は道具係でずっと裏方だったので、ぼーっと劇が進行するの眺めながら道具の入れ替え時だけ素早く動いた。

劇の最期、裏方も徐々に表に出て全員で合唱する演出があった。それが始まってそろそろ表に出ないと行けなくなった。

体育館ステージの両サイドにあるバレーボールやネット、バスケットボールに点数板などが収納されてる倉庫を道具係の待機場所として使用してた。

小さな倉庫に窓から光が差し込んで、舞った埃に光が当たりスポットライトに当てられたような感覚。(エモい感じ分かってくれ)

「そろそろ前、行かなあかんな〜」なんか気まずくて話しかけたのを覚えてる。

「ほんま長かった〜w」と言って笑って伸びをするあの子。

なんかこの時、自分でもよく分からへんけどあの子をじーっと見つめて笑った。まじキモいの極み。

「なに〜〜?www」って笑い返してくれた。

「何もない〜www」

「なにーよーwww」って言って叩かれた

みたいな会話をしてた。ヘタレかよって今思う。よく笑っては肩を叩かれた。それで謎の笑いが止まらなくて二人で笑ってた。

そんなこんな色々はしょって卒業式。学校の正面玄関には綺麗に桜が咲いてて、なんかもう「THE卒業」って感じで式が終わったら友達と写真撮ったり最後によく溜まり場にしてた後から出来た綺麗なトイレに行って帰ろうとしてた時だった。あの子が正面玄関で友達と写真撮影してた。ほんで僕と友達集団に

「○○○(僕の名前)!一緒に撮ろ〜っ!」って呼び止めた。最後に写真を撮った。僕はなんでか花粉症が凄まじくてマスクを外さなかった。アホやなって思う。

でももう二度と会わなくなるからどうでも良かった。頭の良かったあの子は有名な進学校へ、貧乏引き篭もりのクズは底辺校へ。

当時、ケータイも持ってなかった僕は連絡手段も無いので二度と会うことは無いと思ってた。

でもぶっちゃけ会おうと思えば徒歩3分くらいの場所に住んでたから会えたけど。高校からはガラケーを持ってたから連絡は取ろうと思えば友達経由で取れた。でも連絡しなかった。

それから大人になるまで二度と会うことは無かった。

 

成人式の日。あの子の事などすっかり忘れて社畜人生を謳歌してたワイ。ノリと勢いで大学生とウェーイwwwしたくて成人式と同窓会に乗り込んだ。

久しぶりに会った友達と喋ってたら声を掛けられた。

「○○○?」って名前で呼ぶから誰かと思って振り向いたらあの子だった。

振袖姿でそんなに化粧映えしてなくてぶっちゃけそんな変わって無かったwww髪を茶髪に染めてて少し大人になった感はあった。愛嬌のある笑顔はそのままだった。ワイ普通に久しぶり〜って言って友達も沢山居たから他愛の無い近況報告の話をした。

夜から同窓会でまた色んな奴と再会して普通に感傷に浸ってた。みんな大人になったんやなあ、的な感じ。ワイ中学時代幼すぎてクラスのペットみたいな扱いだったから、皆んなから頭撫でられまくる感じの。煙草を吸ってると色んな奴が目を見開いて驚くから反応を見て楽しんでた(ゴミクズ)

同窓会って言ってもほぼ合コン会場みたいなもんで面白いくらい女と男が引っ付いて喋ってた。ワイここぞとばかりに根暗コミュ症を発揮してしまい、ぼっちでちびちびお酒呑んでた。

その時に、突然隣に座ってきたのがあの子だった。

「よっ!何一人で呑んでるん〜w」

「みんな若いよなあw」(根暗の言い訳)

「○○○も同い年やろwww」

「マジかよwびっくりんちょwww」

あんまり覚えてないけどこんな感じで会話し始めた。少し酔ってたのもあってなんか気付いたら京都で遊ぶ事になってた。

その子の大学が京都でワイの職場も京都だったのでそこからなんやかんや京都の話が始まって遊びに行く事になってた。(記憶曖昧でわろりんちょ)

相変わらず笑うとクシャっとなって、照れるとすぐ肩をしばかれた。大人になったワイはもう好きでは無くなってたから、なんやかんやで遊ぶことになって罪悪感すら覚えてた。

酔ってたから「彼氏とはどうなん?w」って冗談で聞いたら「おるわけないやろw」って肩をしばかれた。そろそろお開きになって、二次会へ行く組と帰り組に別れた。ワイ仕事だった為、帰り組へ。あの子も帰り組だったので一緒に帰った。

後日、LINEで連絡が来て遊ぶ日を決めた。ワイから誘ったらしいので今更断ることも出来ずにその日が来てしまった。

京都の河原町で普通に遊んであの子が行きたいって言うお店に行った。そこで甘味?みたいなの食べてから他愛の無い話をしてしばらくしたら話す事も無くなり、無言になった。

「すること無いなったな〜w」苦し紛れに

「んー、どっか行きたいとこないん?」って聞いてくれた。

でもゴミクズを発揮して早く家に帰りたかった。この空間が気まずくて今すぐにでも走って帰りたかった。何で遊んでんの?って自分に疑問すら湧いてた。だから

「無いわwww帰ろうwww」って言った。

「...そっか。なら帰ろっか」って返ってきた。

明らかに寂しそうな声で言った。ワイこの辺でもう自分に嫌気が刺してほんまに今すぐ走って帰りたかった。無言の後、あの子が

「○○(あの子は自分の事を名前で呼ぶ)、もうすぐ海外留学するからしばらく日本帰らへん」

「へー、そうなんや。すげえ」と素っ気なく返した。

何を言ったらいいのか分からないのとゴミすぎる自分に吐き気すらした。でも仕方なかった。好きじゃなくなってたから。ノリで遊んでしまったことを酷く後悔した。あの頃好きだったって伝えても何の意味も無いと思ったから、何も言わない事にした。最後の別れ際に、あの子は駅の改札でワイに向かって手を振りながら

 

「バイバイ」って言ってクシャっと笑った。

 

クシャっと笑う女の子の話。二十歳の頃のゴミクズ話。それから一切連絡を取っていません。

〜完〜

 

追伸、自分語りクッソ気持ち悪くて文字打った後吐いたった。